施設の種類と特徴と費用

老人ホームと一言でいっても、様々なタイプが存在します。
生活支援の程度や提供されるサービス、費用が異なるため、自分に合った施設を選ぶためには、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

老後の暮らしを考えるとき、どのような老人ホームを選ぶかは重要な決断です。老人ホームには多くの種類があり、それぞれの施設には独自の特徴や提供されるサービス、そして費用面での違いがあります。
ご自分や家族にとって最適な施設を選ぶためには、まず各施設の種類や目的を理解し、現在の状態や要介護度に応じて候補を絞っていくことが必要です。
たとえば、自立した生活がまだ可能な方には比較的自由度の高い施設が向いている一方で、介護が必要な方には常時ケアが受けられる施設が適しています。
また、認知症の進行具合や身体的な制限に応じて、適切な施設を選ぶことで、安心して過ごせる環境を整えることができます。

要介護度で候補を絞り込み

施設を選ぶ際の判断材料としては、要介護度や生活の自立度が大きなポイントです。これを基に、どの施設が適しているのか、また各施設の費用はどの程度なのかを把握しておくことで、スムーズに候補を絞ることができます。施設の選び方には、家族としっかり話し合い、長期的な視点で検討することが大切です。
要介護度の目安と対応する施設の種類とそれぞれの特徴、費用について具体的に比較しやすい表形式で解説します。これを参考に、あなたの老後にふさわしい施設を見つける手助けにしてください。

要介護度と状態の目安

自立

◉全面的な介助が必要
 自力での生活が不可能で、24時間の見守りや介護が必須

要支援1

◉重度の介助が必要
 ほとんどの動作が自力ではできず、身体介護が必要

要支援2

◉日常生活全般で中度の介助が必要
 食事や排泄を含め、多くの動作で介助を要する

要介護1

◉歩行や日常動作で継続的な介助が必要
 自力での移動が難しく、排泄や入浴の補助が必要

要介護2

◉身の回りの世話に部分的な介助が必要
 食事や入浴に多少のサポートが求められる

要支援3

◉日常生活の一部でサポートが必要
 家事や買い物、軽度の身体介護が必要になることがある

要介護4

◉軽い日常生活の支援が必要
 家事や外出のサポートが必要だが、基本的に自分で動ける

要介護5

◉日常生活を自分で行える状態
 介護の必要はなく、健康維持や予防を目的とした支援が主

主な老人ホームの種類と特徴

老人ホームには多くの種類があり、それぞれの施設には独自の特徴や提供されるサービス、そして費用面での違いがあります。自分や家族にとって最適な施設を選ぶためには、まず各施設の種類や目的を理解し、現在の状態や要介護度に応じて候補を絞っていくことが必要です。

老人ホームの費用について

老人ホームに入居する際やその後の生活にかかる費用は、いくつかの種類に分けられます。
ここでは、費用を「入居時に必要な金額」「月額利用料」「その他必要な金額」の3つのカテゴリーに分けて解説します。

入居時に必要な金額

老人ホームに入居する際、施設の種類によっては「入居一時金」などの初期費用が発生します。これは、長期的に施設を利用する権利を得るために支払うもので、特に有料老人ホームや高級な施設で発生することが多いです。

  • 居一時金数十万円〜数千万円(施設の種類や地域、サービス内容によって異なります)この金額は、数年後に一部または全額が返還される場合もありますが、条件や退去の時期によって異なりますので、事前に契約内容を確認しましょう。
  • 敷金・保証金一部の施設では、入居一時金の代わりに敷金や保証金が求められることがあります。

月額利用料

入居後の生活を支えるための毎月の費用で、主に以下のような項目が含まれます。

  • 居住費・家賃: 部屋の広さやタイプによって異なりますが、5万円〜15万円程度が相場です。
  • 管理費・共益費: 共用スペースの維持管理や清掃、光熱費などに充てられる費用で、月に2万円〜5万円程度が一般的です。
  • 食費: 毎日の食事を提供するための費用で、月に3万円〜6万円程度がかかります。
  • 介護サービス費: 要介護度に応じて、介護保険が適用される場合は自己負担分が発生します。要介護度によって異なりますが、数千円〜数万円程度がかかることがあります。

その他必要な金額

月額利用料以外にも、状況に応じて追加費用が発生することがあります。これらは事前にしっかり確認しておくべき重要なポイントです。

  • 医療費: 施設内での医療サービスや、外部の医療機関での診察、治療が必要になった場合、その費用が別途発生します。保険が適用される部分もありますが、自己負担分が必要です。
  • 介護保険適用外費用: 施設が提供する特別なサービスや、介護保険でカバーされないサービス(たとえば、特別な食事や個別のリハビリなど)には別途料金がかかることがあります。
  • 雑費・その他: 施設によっては水光熱費、イベント費用、洗濯・クリーニング等のサービスが有料で提供されることがあります。

また、長期間入居している場合、退去時に発生する費用(清掃費や修繕費など)も事前に確認しておくと安心です。

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